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あぁ、十分だった

アーティスト
はらぺこ僧侶
制作
METANOIA

「あなたが癒やしをくれなくても、あなたが私を愛した事実、それだけで今はあぁ、十分だった」。胃がん全摘という喪失を通り、足りないものを数え続けた先で辿り着いたオリジナル曲の歌詞と背景。

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奇跡がなくても「十分」なのか

病と喪失を背景に、失ったものや起きなかった奇跡に心が向かうとき、何がなお残るのか。この曲はその問いを扱っています。

「病気が治ったら」「元の身体に戻れたら」と、どこかで条件つきの救いを求めていたのだと思います。けれど、痛みの中でふと立ち止まったとき、状況が魔法のように変わらなくても「私はすでに愛されていた」という事実そのものが胸に迫ってきました。この曲は、何かを勝ち取った人の凱歌ではなく、失ったあとに残っていた愛を見つめ直した静かな告白です。

足りないものを数える夜に

私たちは苦しいときほど、目に見える「しるし」や「奇跡」を求めます。でも、十字架の上で「自分を救ってみろ」と嘲笑われたイエスさんは、自分のために力を使ってそこから降りることを選びませんでした。

ただ傷ついたまま、壊れた私たちの隣に最後までとどまり続けてくれたこと。「あなたが癒やしをくれなくても、あぁ、十分だった」という歌詞は、回復や助けを諦めるという意味ではなく、結果がどうあれ「見捨てずに愛してくれたまなざし」だけで心は満たされるのだと気づいた瞬間を歌っています。

弱さと恵みについて

十字架の下で人々が「奇跡を見せて今すぐ降りてこい」と叫んだ場面と、弱さの中で語られた主の言葉を心に置いています。

ギリシャ語で「十分である(アルケオー)」は、「それで足りている、満ち足りて支えられている」という意味を持ちます。足りないものがすべて埋まることではなく、弱さのただ中にすでに十分な愛が注がれていることを伝えてくれます。

マタイの福音書 27章41〜42節/コリント人への第二の手紙 12章9節

LYRICS歌詞

壊れた私 名前を呼んだ
正しさよりも 信じるよりも
ただ傍にいて 愛してくれた

願いの言葉 知らぬままでも
祈りのすべを 持たぬままでも
あなたは決して 離れることなく
私のすべて 包んでくれた

あなたが癒しを くれなくても
あぁ、十分だった
あなたが私を 救わなくても
あぁ、十分だった
何も変わらぬ 世界の中で
あなたが私を 愛した事実
それだけで 今は
あぁ、十分だった

歓声響く この街の中
癒やされた目は あなたを探す
奇跡の業より そのまなざしが
私のこころ 震わせていた

しるしを求めて 叫ぶ人たち
それでも私は ここにとどまろう
あなたの愛を 見つけたから
もはや何も 恐れはしない

逃げない背中 血のついた道
おりる力も 捨て去って
しるしも条件も もういらない
あなたが愛なら それでいい

奇跡がここで 起きなくても
あなたがそこから おりなくても
自分を救わぬ あなたの愛が
私にとっての すべてだった
それだけで それだけで それだけで

あなたが癒しを くれなくても
あぁ、十分だった
あぁ、十分だった

CREDITS

作品情報

アーティスト
はらぺこ僧侶
作詞
はらぺこ僧侶
作曲
はらぺこ僧侶
歌唱
はらぺこ僧侶
制作
METANOIA
公開日
2026年2月14日